パラドックス定数　第22項 元気で行こう絶望するな、では失敬。

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「やべぇ。俺、死にたくねえや」

森に囲まれた木造校舎。
イヤになるほど何もない田舎の男子校。
たった一クラス。
たった二十名が世界のすべて。

あの頃は未来に対する希望など無くて、
かといって恐怖もなくて、
ただただ今に必死だった。
俺の親友なんか必死になりすぎて、
本当に死んじまったんだぜ。

「今の俺たち、そんなキレイなもんじゃねえよなあ？」

そう言ってあいつは森へ足を踏み入れた。
そしてそれきり戻らなかった。

どうしようもない若さと自意識に喘ぎながら、
大人へと流される男たち。

成長という名の坂道を、
無様に、
不恰好に、
俺は何処まで転がり落ちるんだ。

かったりいな。
めんどくせえな。
そう、太宰治は永遠の高校生。